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改正個人情報保護法について VOL.13(ワイルドの不幸保存の法則)

かつてカナダの心理学者でジェラルド・ワイルドという人が「安全対策をいくらとっても事故のリスクは減らない。」という説を唱えたことがあります。「ワイルドの不幸保存の法則」といいます。この説によると「いろんな安全対策が実施されてリスクが減ったとしても、人間はそのぶん安心してしまって注意がおろそかになり、結局トータルでのリスクは変わらない。」というものです。果たしてそうなのでしょうか。
 
個人情報保護の観点から考えてみるとセキュリティを強化し安全対策措置を多く実施すれば事故は減るように思えます。しかし、事故の大半は人間が介在して発生する以上、その個人情報を取り扱う本人の危機意識が普段からどれだけあるのか、モラルの認識度なども事故の発生に関わっていることも確かです。
 
個人情報保護法では「安全管理のために必要かつ適切な措置を講じる義務」(法第20条)を掲げていますが、改正法でこれを強化する旨の内容にはなっていません。旧法に比較してセキュリティレベルを向上せよ、とは述べていないのです。
 
 
ジェラルド・ワイルドの提唱は、決して安全対策措置を講じることの是非を論じたものではなく、むしろ心理学者として安全対策を講じたあとの危機意識の欠如やモラルの低下といったことがもたらす危険性を指摘したものと思えます。十分な安全対策措置を講じてもその運用状況を監視したり取り締まる仕組みがなければなりません。また、継続的な改善を教育を通じて喚起し続けることも大切です。結局は個人情報を取り扱う者の意識の中に心の中に事故の原因や解決策が存在する、と彼は言いたかったように思えます。
 

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